仕事帰りに、渋谷のシネマライズで是枝監督の映画『空気人形』を鑑賞しました。主人公を演じているぺ・ドゥナが、とにかく可愛いです。初恋の人に空気を吹き込んでもらった後、彼女が、幸福感に満たされて、踊るシーンが特に。
幸せな時って、なんだか空気がいっぱい吸える感じで体も軽い感じがするけど、悲しい時って、体の中から空気がたくさん抜けてしまたみたいに、しぼんで重い。
この作品を観て、原作となった本を読んでみたいな…と思ったのですが、映画館では売り切れてしまってました。残念。
作品で使われていた、吉野弘さんの詩『生命は』が印象的でした。
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生命は
自分自身で完結できないように
つくられているらしい
花も
めしべとおしべが揃っているだけでは
不充分で
虫や風が訪れて
めしべとおしべを仲立ちする
生命はすべて
そのなかに欠如を抱き
それを他者から満たしてもらうのだ
世界は多分
他者の総和
しかし
互いに
欠如を満たすなどとは
知りもせず
知らされもせず
ばらまかれている者同士
無関心でいられる間柄
ときに
うとましく思えることさも
許されている間柄
そのように
世界がゆるやかに構成されているのは
なぜ?
花が咲いている
すぐ近くまで
虻の姿をした他者が
光りをまとって飛んできている
私も あるとき
誰かのための虻だったろう
あなたも あるとき
私のための風だったかもしれない
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